商売は自転車を漕ぐが如しである
自転車を漕ぐとき、特に坂道では、ギアが非常に重く「たくさんの力」をかけないと動き出しません。
そしてゆっくりと動き始めます。最初はヨロヨロと動き、油断していると安定せず、倒れたり、止まったりしてしまいます。
ギアがlowからセカンドに入ると、少し楽になりますが、まだ油断できません。
やっと20~30kmのスピードで快走して、初めて「心地よさ」を感じます。
森の中の小道を、そよ風を受けながら走ると爽快感があります。
多少ときどき力を入れて漕がなければなりません。でも楽です。
下り坂は自転車は勝手に走ります。今度はブレーキが必要です。ほっておけば暴走して危険です。漕がなくても大丈夫ですが注意が必要です。
さあ、どうでしょう。まるで商売と同じでしょう。
最初の漕ぎ始めは「新規開拓」です。
最大限のエネルギーを営業に費やさなければ、お客様は感動してくれませんし、商売してくれません。
とにかく自分の能力目一杯で取り組む必要あります。100%です。
で、初商売にこぎつけても、油断はできません。まだヨロヨロの段階で、お客様の信頼も得られていません。
引き続き頑張らなければなりません。80%の力です。
そしてやっと、「安定商売」となります。
心地よい商売関係、買い手と売り手の信頼関係が築ければ、商売の喜びも感じられます。
でも漕ぎ続けなければなりません。50%の力です。力みすぎてもいけません。
下り坂は「油断」してはなりません。漕がなくても商売は出来ていますが、これは自分の力ではありません。
歴代の諸先輩の、漕いだ歴史があるから、商売が出来ているのです。
ハンドルとブレーキを、しっかり意識していなければ、「暴走」してしまいます。
すなわち商売がなくなる危険性を孕んでいます。
自転車は漕いで走っているから「安定」しているのです。
お客様には常にコンタクトをして、ニーズを聞いて、的確に対処することが商社マンの努めです。
商社マンはロードレースの自転車漕ぎです。
2007年8月1日