営業と心の交流
今回は、常日頃、部下に言っている「営業手段と心の触れ合い」について、書いてみたいと思います。
営業は、結局は、売り手である営業マンと、買い手である購買担当者との、
人間と人間の心の交流であり、営業能力の良しあしはつまるところ、
「いかに深く、真摯に心の交流をなしえたか」、という言葉に言い換えられます。
営業手段としては、メール、電話、商談訪問、接待、海外出張アテンド等々がありますが、こころの交流という意味で、手段の効果を表現すると、
メールを1とすれば、電話は5、商談訪問は10、接待は20、海外出張アテンドは30、くらいの密度の違いがあるでしょう。
以前、「説得と納得」でも書きましたが、結局は商売成立は買い手であるお客様が心を開いて、当方がご提案することに、「納得」していただいた瞬間が、商売成立の時であるわけです。
1・5・10・20・30とあえて、数値で表現しましたが、その数値は、
「心の交流の度合い」「心を開いてもらう可能性の度合い」と言い換えられるでしょう。
100回のメールより、1回の海外主張アテンドのほうが、心の交流を深められます。
ここまでは、お読みになっている皆さんが、納得していただけると思います。
で、当然のことながら 商売の濃さ、多さを目指すためには、訪問頻度を上げ、
当社のことを、自分自身を知ってもらい、信頼してもらう努力をするわけですが、
もし、不適切な発言や態度、間違った情報や、強引な姿勢等々があり、
お客様の印象を悪くしてしまった場合も、逆に「マイナス効果」として、
メールの不適切さの5倍、10倍、20倍の悪影響もあるわけです。
つまり、何もしないことより、悪い営業行為は、負の効果をもたらすこととなります。
従い、極端な例ですが、相手が忙しいのに毎日電話したり、
商談のアポイントを適切な話題もないのに、毎週のように申し込んだり、
強引に説得したりすることは逆効果で、やってはいけないことなわけです。
結局は、「今、お客様は何をしたいのか」「どのような状況なのか」「どのようにお考えなのか」という、状況判断をしたうえで、最適な営業手段を選択することが、重要と言えるでしょう。
時には、お客様の時間を邪魔しないメール報告が、一番良い場合もあるわけです。
その臨機応変な選択は、人間力、人格の向上がなければできないわけで、
電話も訪問も接待も、適切なタイミングに、適切な内容で進めないと、
お客様の、正当なご評価は得られないこと、となります。
商社マン生活35年、まだまだ未熟ですが、日々反省とともに、お客様の信頼を得られるよう、これからも努力する所存です。
2014年8月5日