物の価格について

これも殊更ことさら、経済学ではありませんが、
昨今の、希土類の(いや非鉄全般の)急騰の根本原因でもあるので、思うまま、書いてみます。

物の価格(すなわち価値)は、希少性と必要性(ニーズ)で決定されます。

いくら希少性があっても、ニーズがなければ、「無価値」となりますし、
ニーズが非常に重大でも、希少性が全くなければ、それも「無価値」となります。

例えば、「空気」「酸素」は人間が生存するのに絶対に必要ですが、つまりニーズとしては、無限大に近く高いのですが、希少性が全くないので、人間は無料で呼吸できているわけです。

でも、もし同じく無料に近い「水」も、ニーズとしては空気と同じく殆ど無限大ですので、もし砂漠で、水が1個のペットボトルしかないとなると、それが必要なときは、ベンツ1台とでも交換するに匹敵する、「価値」になるのであります。

今の希土類は、昔、日本人がND磁石ネオジムじしゃくを開発するまでは、NDは殆どニーズがなく、希少性あるものの、「価値」がありませんでした。

NDが脚光を浴びて、ニーズが出て初めて価値あるものとなりました。

今、中国政府がE/Lを制限し、「希少性」を意図的に強調して、ニーズを飛躍的に拡大させて、まるで砂漠での水のごとく、価値を増大しています。

需要家の対策としては(もし今の価格が好ましくないと思えば)、ニーズを減らすか、希少性を薄めるため、他の資源国の開発を促すか、
備蓄をして、希少性への焦りを緩和するしかありません。

日本は、資源が全くないといっていい国家ですが、人間の生存に必要な水と空気は豊富です。

生命の維持が最大のニーズですから、やはり、環境、農業(水、空気、食べるもの)を忘れた生活は、危険ですね。
ニーズを減らせば、意外と生活は楽かも知れません。

2007年8月10日


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