マイケルジャクソンと小室哲哉
商売雑感のところにすでに小室哲哉に関して書きましたが、
先週マイケルジャクソンという才能がこの世を去りました。
小室哲哉も音楽の才能に恵まれ、マイケルも同様で、ともに巨万の富を手にした人物で、最後は、借金まみれになったことも共通です。
音楽の才能、非凡さへの賞賛は多くの方々同様、上島も同感していますが、
ここでは、「使い切れない富を一挙に手にした不幸」について書いてみます。
人間は一生、生きていくためには、最低限、いや普通の生活、いや多少の贅沢をする生活をしても、せいぜい5億円程度あれば十分でしょう。
年間1千万×50年ですから・・・
マイケルジャクソンは、数百億とも一千億とも言われる富を手に入れ、
小室哲哉も、百億になんなんとする富を手に入れました。そして両者とも借金まみれになりました。
人間、自分で使い切れない金を手に入れるとどうなるか。
土地、家、車、グルメ、等々の程度では、せいぜいたかが知れています。
自分を見失わず、理性を保つのは、一分野において非凡でも、難しかったのでしょう。理性が失われたのです。
巨万の富を使えるのは、「投資」「事業」です。ですから、2人とも事業に邁進しました。
しかしながら、事業にも才能は必要なわけで、
2人が、事業にも、天賦の才能を備えていたわけではなかったのでしょう。
マイケルジャクソンが、具体的に、どのような事業展開をしたかは詳細不明ですが、さまざまな世界の要人と交際し、ネバーランドという、家とも遊園地とも言えない、広大な施設を所有し、ビートルズの版権の半分を、獲得したりしていました。
思えば、散財のための事業ともいえなくもありません。
小室は、香港での音楽事業を画策しました。
でも、両者の「取り巻き」は、必ずしも良い人たちではなかったようです。
小室の散財は、追い詰められて、破滅・詐欺という犯罪に向かいました。理性が失われたわけです。
マイケルに待ち受けていたのは、「失望」です。
マイケルは、悪い取り巻きに失望し、精神が追い詰められて、
純粋な子供たちと、麻薬・鎮痛剤に向かいました。そして、それが文字通り、命取りとなりました。
「使い切れない」お金は、精神の安定には非常に有害でしょう。
己を律しなければ、犯罪や自己破滅をしてしまいます。
あるいは、狂気に満ちた拡大事業意欲で満たすか・・
鉄鋼王カーネギーも、巨万の富をもてあまし、精神の安定を欠きました。
晩年、カーネギー財団を設立し、慈善事業で、富を社会に還元することで、正気に戻りました。
ビルゲイツも、それに気づいて引退し、ゲイツ財団で社会還元を、これからしていくのでしょう。
「使い切れない」とは、人の一生は限界があるからです。墓に金は持っていけません。
マイケルの意匠権、版権は、遺族の血みどろの戦いの材料となるでしょう。
人間の悲しいサガです。
-天才マイケルジャクソンに合掌-。
2009年6月30日