中村天風 再考察その2=多くの箴言

『中村天風 再考察その1』を書いてから、1か月と10日ほど経過しました。

中村天風の著作(正確には講演を文章化して体系化したもの)を、5-6冊読破してみました。
いやはや大した人物です。改めて彼のすごさを再認識しました。
彼の人物像を表現すると、宗教家でも、哲学者でも、心理学者でも、養生訓を述べる医者でもなく、それらを全て兼ね備えた、「人生の達人」という表現が最適でしょう。

彼は奔馬性結核ほんませいけっかくを患い、生死をさまよった中で、
インドヒマラヤの山奥でのヨガの修行から、悟りを啓いたのですが、
彼は、「悟りとは、自分の心が、真理を感じた時の心の状態を言う」と記しています。

真理を感じた時の心の状態は、彼曰く、簡単に得られる、とのこと。
しかし、ほとんどの人間は、まるで頭の上から帽子をかぶせられているが如く、
きれいな心の上に、雑念妄念が覆いかぶさっているために、真理の中に生きながら、真理を悟ることができない、と言っています。

これは、禅の表現の、「月はそこにある。ただ曇っているから見えないだけだ。
また、いくら水面に映った月を捉えようとしても、そこには水があるだけだ。
月そのものを見なさい」ということと同じです。

ただ天風は、悟りに至る方法論を、具体的に示している点で、
釈迦とも、達磨とも、道元とも、強く異なるわけです。

すなわち、how to sayや、how to showは、誰でも示しているが、
how to doは天風が初めてである・・と。それが 何と言っても すごい!!

その方法論は、『中村天風 再考察その1』でも上げている、
*観念要素の更改
*積極精神の養成
*神経反射の調節
ということですが、  

「せっかくこの世に生まれてきたのだから、思いっきり生きなければもったいないではないか!!」

そのためには、健康で 煩悶はんもんをせず、心身ともに豊かになろう!!との、
極めてわかりやすい啓示です。

悶々とするな!!悶々としているその心は健康に悪い!!
その悶々としている時間は無駄でもったいない!!だから心をいつも積極的に維持しろ!!

箴言1
「人生の出来事に対応する其の精神態度が、積極か消極かということで、その結論の正否が決定する」
俺はもうだめだ・・と思えば望み通り、ダメな人生を送れ、
「俺は絶対成功してやる」「俺の病気は絶対完治できる」と強く思っていれば、
その精神作用が、人生の運命を好転させ、はつらつと活きている場合が多い・・と看破する。

為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり=上杉鷹山=と同じですね。

僕自身は、仕事も趣味(ゴルフ、ジャズ)も、時に弱気(嫌気?)になる時があります。
まだまだ天風から、お叱りの言葉をいただきそうです。
絶対的積極との対極には、煩悶、煩悩、悲観、苦労、怒り、恐れ、陰湿という言葉が並ぶそうです。
見るからに、「何事も成らぬ」になりそうですね。。。

次回は、彼の健康論を語りたいと思います。

2016年5月10日、5月16日加筆

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